年をとると、どんどん病気や怪我をしやすくなります。そんなこともあり、「65歳すぎたら働けないんじゃないか」と心配しているおひとりさまも多いのではないでしょうか。
いつ、なにがあるのかわからないのが人生ですから。
しかし、きょうはそんな方にちょっと厳しい現実をお伝えしなければなりません。
将来が気になるおひとりさまは、心して受け止めてください。
■老後シングルが生涯独身シングルと同じくらい増加中
まずは、日本のおひとりさま事情から確認していきましょう。
全日本人世帯の32.3%が単独世帯、つまり、おひとりさまです。要するに全世帯の3分の1がおひとりさま世帯ということになります。
ところで「おひとりさま」と聞くと、どうしても「一生涯結婚しない人」というイメージが先行しがちですね。
それほど「結婚しない・できない人」が身の回りに増えているからかもしれません。
しかし、このことについては「生涯未婚率」という指標を意識する必要があります。
生涯未婚率とは、「45~49歳」と「50~54歳」未婚率の平均値から、「50歳時」の未婚率(結婚したことがない人の割合)を算出したもの。生涯を通して未婚である人の割合を示すものではありません。
ただ、50歳で未婚の人は、将来的にも結婚する予定がないと考えることもできることから、生涯独身でいる人がどのくらいいるかを示す統計指標として使われています。
国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2012)」によると、その生涯未婚率が2010年は男性が20.14%、女性は10.61%。
特に男性の場合、2005年から2010年の間に約4%も上昇しています。すでに男性の5人に1人は、一生涯未婚だということになるわけです。
推移をみると増加の一途をたどっているので、一生涯独身という人はめずらしい状態ではなさそうです。
しかし、おひとりさまについては、「離別」「死別」を要因とするケースも十分に考えられます。
「死別」と聞くと、「そんなにいないのでは?」と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。
2世帯で一緒に生活する家族が激減しているということは、夫婦のどちらかに先立たれれば、その後は確実にシングルになるわけです。
つまり、生涯独身シングルが増える一方、老後シングルも同じくらい増えているのです。
予測では、2035年には単独世帯が37.2%まで増加し、「ひとり親と子」の11.4%を合計すると48.6%「夫婦のみ」「夫婦と子」との合計44.5%を超えることになります。
つまり、お子さんがいるかどうかは別としても、全体の半分がパートナーのいない世帯だということになるのです。
■老後に働けない場合は2000万円以上の貯蓄が必要
すると問題になるのが、お金です。
続きは・・・・・。
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