2012年4月、衝撃的なニュースが新聞の片隅にそっと掲載されました。
2011年末の段階で、住宅金融支援機構が貸し出しているローンのうち8.48%が不良債権になっているというのです。
■8.48%が住宅ローンを返済できていない
「住宅金融支援機構」とは、昔の住宅金融公庫のこと。いまは住宅ローンといえば、銀行で借りるのが一般的。
しかしほんの20年ほど前までは、住宅金融公庫から借りることが多かったのです。事実、住宅を建てる人の大半がここからお金を借りていました。
そんな、多くの人々が住宅ローンを借りていた旧住宅金融公庫の8.48%が、不良債権になっているのだとすれば、とんでもないことです。
不良債権と聞いても、遠い世界のことのように思えるかもしれません。しかし簡単にいえば、住宅ローンを3ヶ月以上返済できていない人が8.48%もいるということ。
しかも、この中身を読み込むとさらに恐ろしいことがわかります。
平成16年以前にお金を借りた人だけを見ていくと、返済できていない人の割合は10%を超えているのです。
住宅関係の衝撃でいえば、衝撃の事実をもうひとつ。これは、2010年8月の朝日新聞の記事です。
「ローン破綻増加、競売6万戸 ~甘い審査が落とし穴~
住宅ローンを返せなくなり、家を手放す人が急増している。不動産競売流通協会の全国調査によると、銀行などが強制的に売るために裁判所の競売にかけられた一戸建て住宅とマンションは、2009年度には08年度の1.3倍の約6万戸に達した。一方、09年度に新築された住宅は約80万戸。新たにマイホームの夢をかなえた人がいる陰で、多くの“住宅ローン破綻(はたん)”が起きている。(2010年8月14日、朝日新聞)」
しかし、この記事にも正確ではない部分があります。それは、「新築された住宅は約80万戸」という箇所。
たしかに2009年度の住宅着工件数は、約80万戸でした。
でもこの数字には、アパート用や貸家用に建てられた家の数も入っています。純粋に「マイホーム」として建築された数は、60万戸程度なのです。
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